データ保全

職業柄HDDのハードウェア故障でデータを喪失してしまう方の対応をすることがあります。
数百台のパソコンやサーバーで数年に1回有るか無いかの発生率なので、データ喪失する可能性はほぼゼロといってもよいですが、運の悪い方はいるみたいで、3年のメーカー保証期間内でもHDD故障に出会う人がいます。


HDDが故障したとしてもデータ復旧サービスを使えば数十万払えばいいのです。


とは言えない懐事情もあるので、私が考えるデータ保全についてまとめてみました。
(個人的な意見なので一般的でない場合があります。)


まずデータ保全は冗長化とバックアップの2種類に分けることができます。


冗長化はHDDが故障しても使い続けることができる様にするため。
 よくRAID-1とか5とか6構成とか表現するのがこれです。
バックアップは故意にデーターを削除しても取り戻せるようにする仕組みですね。
 ゴミ箱機能とかバックアップテープとかDVD-Rに保存とか・・・


この2種類は全く別物ですが、データを守る目的において混同している方がよくおられます。


「HDDをRAID-5構成にしているからデータは消えません!!」とかね
RAID-5とは3台以上のHDDを組み合わせて、1台にデータの一部を喪失しても復旧できる演算結果を保存し、そのほかのHDDに分割してデータを保存しますので、1台故障しても一部データと演算結果または分散保存したデータを元に完全なデータを読み出せるので安心ですね。RAID-1は2台のHDDに同じデータを書き込むことで片方が壊れても大丈夫って構成です。


確かに、構成するHDDの1台が故障してもデータを失うことはありません。でもね、削除は出来るんですよ。誤操作や故意、ソフトウェアの不具合によって削除したり、間違ったデータを上書きしたりすると、データを失う原因はHDD故障だけではないのです。


人為的なものからパソコン本体の故障、災害など様々な原因があります。


それらに対応するのがバックアップ。
ただ、バックアップは面倒です。


いつ必要になるかわからないデータを別の場所に保存する作業です。
しかも、どのくらい前のデータに戻ってもよいのか?
上書き対策は何世代前までのデータに戻したいことがあるのか?
データが必要になった時によって様々なので、完璧なバックアップって存在しない。


バックアップデータだってテープとかHDDとかDVDとかUSBメモリ、クラウドなどの記憶媒体に保存するので、それが壊れることもある。保管は金庫の中?別の場所?地球やばくね?


そんなことを考え出すと、完璧なバックアップって、無限の複製数、保存間隔はリアルタイム、無限の世代数。はっきり言って無理です。


だから保全したいデータの価値を天秤にかける。


取り合えず1台のHDDを2つのパーティションに分けてバックアップしてるから大丈夫!!なんて考えない方がいい。


とりあえず、物理的に別な記憶媒体にコピーを保存しておく。
たったそれだけで、万が一の時、完全喪失だけは防げます。



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